ぷかぷかのうた

只々日々

やや進行している。全然、順調とは言い難いけど。

口語的発語の感覚を優位に、音階、リズムとの関係性をアイデアした作品群を作ろうとする楽団灰ホトラである。僕は「歌唱できる作品」だけを作ることにしている。

音声素材を切り貼り編集した「歌うことのできない音楽作品」は作らない。とくに作りたくもないし。うたいてと、楽器奏者、DJなどが組になってライブで披露できる表現である、ということだ。

とはいうものの、僕が今やっているデモテープ作りは、「こんなものを作りたい」というイメージに忠実であったとしても、それを実際にプレイするという感覚にはまだまだ足りない部分も多いようで、それはきっと、僕にフィジカルな感覚が乏しいからなのだろう。

ブレスのタイミングがないとか、ユニゾンする方法が不明瞭だとか、発声の仕方が特殊すぎて酸欠になるとか、ばかみたいな問題が浮き彫りなったりしてて、その為の試作期間なれど、未熟な上に勘も鈍ってんなってなってて、どうしたもんだか。

時系列に展開する劇に寄りすぎた構成のこと。ことばドレミリズムの付き合い方に迷いが出ること。リテイクが繰り返されている。

特に、ユニゾン、セッションする方法に関する問題をどうするか、灰ホトラ音楽の最大の肝なくせして、まだあんまり具体化していないしな。

拍がはっきりしていないのに、奏者やうたいて同士で合奏しようとするなら、都度合図や取り決めが必要になる。指揮者を立てるってのも、しっくりこないし。この問題は、プレイヤーの快楽と直結するだろうが、僕自身がプレイヤーだった経験がなかった(作演出作曲のみ)ことも手伝って、先送りになっちゃっている。

僕が一旦作った設計をいずれ、プレイヤーを含めた創作の現場で提案をもらったり再調整した後定まっていくのだろう。結果、トラック自体が変わっていったとしても、それで良い。

日頃僕らが楽しくおしゃべりする時、定まった拍を意識せずとも同期したりセッションしたりしている。理想としては、そういう「音楽する姿」がある。灰ホトラ音楽でいつか、呼吸や目配せを音符に変えるようにして、律動や無拍の音場を行き来することが、できたらいいなと妄想している。