ガラスを伝う水滴を見る　のと等しく　僕もガラスを伝う水滴である　夕方が終わる　のと等しく　僕も夕方を終えるのである　僕は確かに水滴であり　僕は確かに夜に交わり　...

正月の手前そうとんがってもいられず階段から滑り落ちてくる子供のころの記憶をすんでにかわしながらそれなりに笑う、僕ももう大人だ降り始めたのは雪ではなくミルメークだ...

黒豆をぽろぽろこぼしながら遊歩道を満喫である季節の変わり目であるので鼻歌も絶妙であるここからは街が一望である黒豆は大好物であるよって常に手放せないのである小川に...

僕の友達の庭よりも、僕んちの庭は広く、それは僕の密かな自慢だった。僕んちの庭は広く、色色の植木や盆栽や岩やらあって、僕は僕んちの庭が自慢だ。僕は僕んちの庭が自慢...

第１０回公演「わたしは最近太った」のアイデアより２編。「筧と卵」筧に卵をぶつける想像で、筧を我慢してきたから、腹立つと透明な卵を、想像の、投げるとマジ筧に当って...

「シロイハナス」「話す、空白」を組み合わせた造語。灰ホトラの会話劇、関係モデルのアイデア。会話、話すことの中にある空白、言葉の隙間にあるものを捉えようとする。「...

第５回公演「３ＰＯ」オムニバスの１と３「はいろいけむり」ふわふわと　あさの　ちゅんちゃらと　とりがなき あさだ　あさだ　あさだ　あさだ　 ぼくは　かれや　かのじ...

喫茶店に男と女。 別れ話がはじまっている。 「木目」 「誰だよそれ」 「黙っててごめん」 「木目って、俺の知ってる男か？」 「え？違う、木の木目」 「え？」 「...

「音楽と蛾」の構成要素。現代の日本、北関東の或県、山間にあるが拓けてはいる街。その街の一角にある、定時制高校の教室のひとつ。「風呂」とあだ名される教員の、同好会...

夕飯の買い物の帰り道、道端に、銀の塊。 横たわる銀は、男だ。 道端に横たわる銀の塊は、全身銀色の、裸の男だった。 わたしが銀の男をかくまったのは、 銀の男の目を...