「風鐸のうた」の自前編曲を行なっている。
男女の罵り合いをうたにした作品なのだが、試作は一定アイデア通り具現化した格好になったと思っているものの、オケに沿って歌唱することが不可能なぐらい、互いを繋ぐポイント、合図が少なく、どうしたもんだろう、となっている。
この作品が楽団灰ホトラで最初に作ったものだったのだが、作曲が散々難航した挙句、結局「劇伴づくりの理屈」を汎用し枠に嵌め込んで形にして、その後ほったらかしのままにしておいたのだ。
試作で提示した「台詞劇がその向こうに別軸で走る劇伴と不可分に絡み合う」状態はたしかに理想的だが、ソロ曲ならともかく、複数人で表現するのは相当厳しい。可能かもしれない。でも音楽は合図の賜物、ろくな合図もなしに4分の曲の精度を保つとか、鎖に繋がれたような窮屈さを伴うだろう。
「同期点を増やし微調整しながらの進行」とか「ききてからは不可視な合図の設定」とか、その手の工夫を幾つも積み上げた上、それらをうたいて自身や聴衆の音楽的な快楽と直結するところに導く必要があり、どうにかこうにか、編曲作業を進めている。9月中に仕上げるのが目標だったが、無理かもわからない。
「リズム不定の曲」での合奏をどう考えるか、僕は演奏の即興性や偶発性で曲を作ることはないのだれど、かといって明確な答えもまだ持っておらず、成功例としての楽曲をひとつふたつと、増やしていくしかないだろうと思う。まあだから今、その最中である。

