PA機材のこと
僕が今まで劇団灰ホトラで作ってきたのは演劇作品であって音楽作品ではなかったのだが、その二つを分つものとしての「音の拡声」という命題の前に立って、随分悩んだ。
今までマイクを介した表現を作ってきていないのだ。
「ステージ上の音場をコンデンサーマイクなどで拾ってスピーカーから出しそのまま全体音量を底上げしたい」などとつい考えてしまうのだが、ハウリングを避ける術があるのか、そんなもん多分ないし、似た術があっても高度でシビアなセッティングを必要とするだろうと思う。
DPAの無線ヘッドセットマイクなどを使って演劇寄りのパフォーマンスプランで考えればいいのかも知れないしいずれ試してみたいけど、音質やポップノイズ対策、マイク位置の固定方法など心配事が多いっていうか値段が高すぎるし、今回は基本的なバンドスタイル「マイクスタンドに立てたダイナミックマイク」による声の拡声とし、マイクは普通にSHUREのSM58を選ぶことにした。
2月の本番が現時点の目標だが、プレ公演やその後の展開も鑑み、ライブを繰り返し行いたいと考えてもいるから「自前PA機材セット」も必要だろう。
屋外やカフェ、ギャラリーなどでの観客が30名以下の小さいライブが僕のイメージで、該当するYAMAHAのSTAGEPAS 400BTや類似したサウンドハウスオリジナルなど最小限のPAセットを購入することになりそうである。
通常役者は「声がマイクにどう乗るか」「スピーカーからどういう音が出るか」「声とオケがどう混ざるか」とか考えないし「自分達の表現がスピーカーから出てくる」とか思ったこともないかも知れない。いや正直、僕自身どうだか怪しい。「小規模公演の中での肉声と空間の関係」で捉えてた経験が長すぎるからなあ。
機材をどうするか、パフォーマーの意識をどう作り共有するか、どうやって訓練し洗練するか、これから課題が山積している。改めて思うが、僕はゼロイチは頑張れてもその他のことがさっぱりだ。シンプルな表現スタイルが身の丈なわけなのだが、具体的な落とし所はもう少しチャレンジを重ねた後じゃないと見つからないだろうな。
まあ楽しんでいきたい。

