アイデア

発熱する10の家

1 窓の外 見てないけどはっきり分かる 今絶対夜の空に 無音の打ち上げ花火が上がってる 空の全部が埋まっちゃうくらい ばかでかい花火 なのにほんの少しも 音や振...
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肌と空

肌と空の 境目がないので 右頬をつねると ポロポロと ひらがなが落ち 並べれば多分 思い出せるが 左頬をつねると バラバラと 母親が落ち 血液と雲の 境目もそこ...
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毛玉の夢

毛玉と付き合ってます 大きな毛玉です ふさふさして 日向の匂いがします おとなしくて 趣味はマンガの毛玉です 大きさですか? ですから 大きな毛玉です 愛されて...
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犬の窓、20年の夜

軒先に突然現れた、死に別れた犬が言った。 君のことが心配だったんだ。 僕は、少し呆れて、それから笑って、 飼い犬に心配されるなんてな、でも、 エサが欲しいか遊ん...
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窓に隙間

窓に隙間 少しだけ 風少しだけ 私少しだけ風 ほら風 生温い シャツ乾く? 明日までにシャツ 鳥 ほらまた鳥 鳥沢山空 空沢山だね ほら列 列まっすぐ たまに曲...
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無い子

ほどなくして、少女は現れた。 少女の立ち姿はつまらなかった。 後ろの植え込みにある、 なんだか知らない木々のほうがむしろ、 生きているという感じがする。 少女の...
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蠢く土を吸い上げて

蠢くを吸い上げて どろどろ伸びてく木の枝が 油っぽく照る月へ向け 送る手拍子の音を聞く 街の唸りをすり潰し ずるずる進んでく電車が 磨いた牛皮の色をした 海を揺...
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暴風カラカラ

もう無茶苦茶で、自転車もちろん、降りてて、 薄暗いし、寒かったし、Tシャツ飛んでた、空に、多分、 洗濯物でしょ?風、ふざけてるんじゃないだろうか。 やさしい人の...
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母の桃

例えば急に晴れたらしい空すら、 敵だった。 付いてないテレビを随分長い間眺めた後、 なにかぶっきらぼうなことをしてみたいと思い私は、 携帯を居間のテーブルの上に...
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欲望少女ウツロ

わたしはウツロ みんなの声援を聞かせて わたしは戦うわ みんなの為に わたしの体は良く動く とっても強いわ どんどん敵を倒してく どんどん平和になってくわ わた...