きゅっぽりな女

わたしは蓋です。
あなたにきゅっぽりはまりたい。
あなたを上から見守って、
あなたの温度を守りたい。

わたしは蓋です。
あなたにきゅっぽりはまりたい。
あなたの乾きをそのままにして、
あなたを長期保存
してあげる。

わたしは蓋です。
あなたにきゅっぽりはまりたい。
あなたが眠るまで、
あなたを隙間なく見続ける。

わたしの背中に降ってくるうららかな日差しを、
あなたにそのまま透かして通そう。
わたしの背中に広がった満天の星を、
あなたにそのまま透かして通そう。
それ以外の悪いものをわたしは、
きゅっぽり守って見せましょう。

わたしのきゅっぽりは、
あなただけのものです。
わたしのきゅっぽりは、
あなたの為だけに鳴る。

そら、
耳を澄まして。