ほどなくして、少女は現れた。 少女の立ち姿はつまらなかった。 後ろの植え込みにある、 なんだか知らない木々のほうがむしろ、 生きているという感じがする。 少女の...

蠢くを吸い上げて どろどろ伸びてく木の枝が 油っぽく照る月へ向け 送る手拍子の音を聞く 街の唸りをすり潰し ずるずる進んでく電車が 磨いた牛皮の色をした 海を揺...

もう無茶苦茶で、自転車もちろん、降りてて、 薄暗いし、寒かったし、Ｔシャツ飛んでた、空に、多分、 洗濯物でしょ？風、ふざけてるんじゃないだろうか。 やさしい人の...

例えば急に晴れたらしい空すら、 敵だった。 付いてないテレビを随分長い間眺めた後、 なにかぶっきらぼうなことをしてみたいと思い私は、 携帯を居間のテーブルの上に...

わたしはウツロ　みんなの声援を聞かせて わたしは戦うわ　みんなの為に わたしの体は良く動く　とっても強いわ どんどん敵を倒してく どんどん平和になってくわ わた...

晴れ間　どうだろ　どんどん晴れ間　昨日のまんま　湿った上着 向かいの瓦がぴっかり光った　どうだろな　 朝の旗　たったか 晴れ間　どうだろ　どんどん晴れ間　育てた...

なんか落ちてね？ なにこの歯 小さい歯 これアレじゃね？ 乳歯じゃね？ 投げたんじゃね？ 小さいな 乳歯じゃね？コレ 投げたんじゃね？ そんなしきたりあったよな...

あれれ 知らないおじさんが ふっくら炊けたご飯の前に ちゃんと座ってる 知らないおじさん 知らないおじさん ここ わたしの部屋でしょう あれれ知らないおじさんが...

父は突然天才になって 決まって夜十時 両手鍋を持って 屋根へ登る人になりました 勉強机に座ってわたしは 屋根瓦のゴリゴリ鳴るのを 毎晩毎晩 父は空からシチューが...

雨の日のバス停で バスを待つ僕の傘と僕の 足元の土が ぽっこりと膨らんでいる 丁度手の平位なので僕は ぽっこりと膨らんだ土を 持って帰りたい ぽっこり膨らんだ土...